教育番組の国際コンクールの優秀な作品に贈られる日本賞の青少年向けカテゴリー最優秀賞(外務大臣賞)を受賞した「独裁者の部屋」を見ました。
何といっても放送が真夜中。
録画でしか見られません。
放送したNHKのHPによりますと、番組はこんな風に紹介されています。

独裁者の部屋 (スウェーデン30分)

もし市民としての権利を奪われ、自由に動き回ることさえ許されない社会に暮らすことになったら、あなたはどうするか? 8人の若者が、ディクテイター(独裁者)の指令の下での8日間の暮らしに挑む。自由を完全に奪われた世界を描くことで、民主主義とは何かを考えさせるリアリティーショー番組。


8人は賞金を懸けて独裁者の支配下にある隔離された環境で過ごします。
そこでのルールは3つ。
1 外出禁止令を守れ。
(ブザーが鳴ったら部屋から出ることを禁止する。)
2 労働は人生。
(労働内容は独裁者の指示によるクリップ拾いという単純作業)
3 見聞きしたことはすべて報告せよ

賞金はかかっていますが、どうしたらその賞金を手に入れることが出来るのか、勝者になる方法は知らされていません。
集められた8人は、私物を没収され、手首に白いバンドをはめられて生活をはじめます。
独裁者の元の生活といっても、最初は全員がそれを冗談だとでも言うように笑っています。
でも、少しずつ、独裁体制が敷かれてゆくのです。
最初は制限事項の多さにぼやきながらも、笑い飛ばしていた若者たちが、生活必需品を奪われ、配給制度のなか、私服を着ることを禁止され、制服を押し付けられ、情報は与えられず、独裁者による褒章と罰によってコントロールされてゆき、考えることを放棄して従順な市民になって、独裁者を喜ばせようと考えるようになってゆくのがおそろしいです。
独裁体制の中で過ごす中で、その状態に耐えられなくなって、ドロップアウトする者も排除されるものも出てきます。
枕や布団やケーキなどの支給品で時に喜ばせ、見えない敵を作り出して競わせ、問題行動を起こした者を排除し、それにより恐怖心を与え、そうして独裁体制は強化されてゆきます。
本当の独裁体制というのも、最初はちょっとしたことから始まりエスカレートしてゆくもの。
しかも、最初は市民が自分たちで独裁者を選んでいることがほとんど。
8日間がおわり、隔離された場所から出てよいとされた時、残っていた5人のうちの何人かは、外に出るのが怖いとか、このままここにいたいとまで言うようになっていました。
自由を奪われることで、自分らしさを失っていたことを認めているにもかかわらず。

独裁体制の恐ろしさを垣間見ることが出来る、良質の番組でした。
スウェーデンの番組なので、登場するのはスェーデンの若者。
これが日本だったら、もっと簡単に愚痴を言いつつも環境に慣れて、独裁者のために働くようになりそうな気もしました。
青少年だけでなく普通に大人にも見てほしいと思える内容でした。
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